チェルシー3月終売 あめ離れ象徴

菓子メーカー大手「明治」は、53年の歴史を持つキャンディー「チェルシー」の販売を3月末で終了し、キャンディー事業からの撤退を決めた。昨年は果汁入りキャンディー「サクマ式ドロップス」で知られる佐久間製菓が廃業した。相次ぐロングセラーの終焉に、消費者の〝あめ離れ〟が鮮明になっている。明治は昨年3月にガム事業からも撤退した。一方、注力しているのがグミだ。若者を中心に不思議な食感や斬新な見た目の国内外の商品がヒットし、今やお口のお供の主役はグミに取って代わられようとしている。



■あめ老舗の相次ぐ廃業

明治がキャンディー事業撤退に至った理由は、販売の低迷だ。同社によると、2002年度に約25億円あったチェルシーシリーズの売上高は、22年度には5分の1となる約5億円にまで減少したという。

調査会社インテージの調べでは、17年に1016億円あったあめ(ハードキャンディー)市場は、23年に1113億円となった。全体的な市場は増加しているものの、5年間の伸び率は1割を切った。

市場の伸び悩みを象徴するように、この5年間で国民に愛されたロングセラーキャンディーの老舗メーカーの廃業も相次いだ。

スタジオジブリ製作のアニメ映画「火垂(ほた)るの墓」に登場する「サクマ式ドロップス」を製造していた佐久間製菓は23年1月に廃業し、114年間の歴史に幕を下ろした。また、イチゴ柄の包み紙が特徴の「いちごミルクキャンディ」を製造していた創業111年の歴史を持つアメハマ製菓も21年4月に廃業した。

■コロナでガムも苦境

この5年で事業撤退や廃業が進んだ主な要因として、当該企業は新型コロナウイルスと原材料高をあげる。コロナ禍により通勤や通学であめをなめる習慣が激減。そこに原材料やエネルギー価格の高騰が追い打ちをかけた。

ただ、あめよりも苦境に立たされているのがガムだ。コロナ禍前の19年に741億円あった市場は22年に548億円に2割以上も減少。明治は昨年3月には1997年に発売したガム「キシリッシュ」を販売終了し、ガム事業から撤退した。2018年には江崎グリコが1987年に発売したガム「キスミント」を、2021年にはクラシエフーズが「歯みがきガム」の販売をそれぞれ終えている。

特にガムの場合は、「吐き出すガムを処理する手間が敬遠されたり、口臭ケアのタブレットへの置き換わり、コロナ禍でマスク着用者が増え、そもそも口臭を気にする人の減少など逆風要素が多かった」(大手製菓)との分析もある。

最終更新日:3/5(火)17:05 産経新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6493719

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