世界の主要金融機関でつくる国際金融協会(IIF)は17日、世界全体の債務残高が2020年末に過去最大の281兆5000億ドル(約2京9800兆円)に達したと発表した。19年末比で9・4%増。新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気悪化と各国政府の財政出動が要因で、19年末に320%だった世界債務の国内総生産(GDP)比は355%に急上昇した。
内訳は先進国が11%増の203兆ドル、新興国が4%増の77兆ドルだった。GDP比の増加幅は前年比35ポイントで、リーマン・ショック直後の09年(15ポイント)を大きく上回った。
主要中央銀行の金融緩和に伴う超低金利を背景に、21年の世界債務の増加ペースは感染拡大前を上回る見通しで、IIFは「債務水準が安定化する兆しはほとんどない」と指摘。景気回復による政府税収や企業・家計収入の増加が期待されるものの、「ワクチン普及の遅れによる景気停滞が更なる債務膨張につながるリスクがある」と警鐘を鳴らした。【ワシントン中井正裕】
最終更新日:2/18(木)8:35 毎日新聞