内閣府が15日発表した2023年の国内総生産(GDP)はドル換算で4兆2106億ドルとなり、ドイツに抜かれ世界4位に転落した。そもそもGDPは何なのか。
Q GDPとは
A 国内で一定期間につくられたモノとサービスの付加価値の合計額で、その国の経済規模などを測る指標となり、各国がさまざまな政策を決める上で重視している。
Q 付加価値とは
A 商品やサービスを販売したときの価値から、原材料などの費用を差し引いた価値のことを指し、いわば国全体の「もうけ」のことだ。例えば、店でコロッケを100円で売った場合、ジャガイモなどの原材料を40円で仕入れ、30円を従業員の給与などに充てると、コロッケ1個の付加価値は100円から原材料費などを引いた30円になる。これらを積み上げたものがGDPだ。
Q 日本のこれまでの順位は
A 1968年に世界2位に浮上したが、2010年に中国に抜かれ3位になっていた。経済規模は国際的な発言力にもつながっており、順位が下がれば日本の存在感が低下する恐れがある。GDPを1人当たりで見ると、22年は経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中21位だった。
Q GDPは万能ではない?
A デジタル化の普及で広がっている無料のサービスなどはGDPで捕捉できない。また、活発な生産活動でGDPが増加しても、その背後に環境破壊や人権侵害があれば持続可能な成長とはいえない。昨年の先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、GDPでは測れない「真の幸福」につながる経済政策の必要性について初めて議論が行われた。(今仲信博)
最終更新日:2/15(木)21:17 産経新聞