石油元売り最大手ENEOSホールディングス(HD)は19日、斉藤猛社長を同日付で解任したと発表した。
同社によると、「懇親の場で斉藤氏が酔った状態で同席していた女性に抱き付く不適切行為があった」との内部通報が11月末にあり、調査の結果、「事実であると判断した」という。同社は昨年8月に杉森務会長(当時)が性加害問題で辞任したばかりだった。
ENEOSHDによると、斉藤氏は「度を越した飲酒が問題で、自制できず大変恥ずかしく申し訳ない」と話しているという。懇親の場に同席した谷田部靖副社長も、同日付で辞任。須永耕太郎常務執行役員は同じ女性に不適切な発言をしたとして月額報酬の30%を3カ月減額する。
同社は19日に記者会見を開き、西岡清一郎社外取締役が前会長に続く不祥事に「痛恨の極みであり、すべての関係者に深くおわびする」と陳謝した。事案の一因として組織風土について問われ、会社全体ではなく「幹部の意識改革が進んでいなかった」との認識を示した。来年2月末までに新体制の人事を決め、再発防止策の検討を進める。
今回の不適切行為を受け、大田勝幸会長は月額報酬の30%を6カ月自主返上する。新体制までは宮田知秀副社長が社長職代行を務める。
斉藤氏は1986年に日本石油(現ENEOSHD)に入社し、副社長を経て2022年4月に社長に昇格。杉森前会長の性加害問題を踏まえたコンプライアンス(法令順守)の強化に向け、陣頭指揮を執る立場だった。
最終更新日:12/20(水)12:56 時事通信