「ぴよりん」連日完売 生産倍増へ

連日完売の状況が続くひよこの形をした名古屋の人気スイーツ「ぴよりん」の製造拠点が、現在の名古屋市から愛知県春日井市に移転することで、生産数は現在の倍増が期待されている。将棋の藤井聡太八冠が対局中に関連商品の「ぴよりんアイス」を食べたことで全国区になり、いまや名古屋を代表する大スター。人以外では初めて名古屋観光特使に就任したり、ラッピングバスが運行されたりと、藤井八冠同様その勢いはとどまるところを知らない。



ぴよりんを製造販売するジェイアール東海フードサービスは平成22年から、JR名古屋駅近くの新幹線高架下にあるケーキ工房を拠点としていたが、建物規模の制約などから製造能力を拡張するのが困難な状況だった。そこで来年2月上旬の操業開始を目指し、同県春日井市のJR中央線勝川駅近くの高架下に拡張移転する。新拠点の延べ床面積は258平方メートル。パティシエも増員予定という。

これまで名古屋駅の2つの販売店に並んでもすぐに売り切れという悲劇に見舞われていたぴよりんファンにとって朗報なのは、生産数が倍増すること。ジェイアール東海フードサービスは「売り切れのないように対応する」としている。また、新拠点に3店舗目の直営店を併設する計画もあるといい、購入のチャンスが広がることになる。

生産が増強されるぴよりんだが、最近は多方面での「活躍」が目立っている。ジェイアール東海バスはジェイアール東海フードサービスと共同で、ぴよりんのイラストを描いたラッピングバスを来年1月8日まで運行している。東京-名古屋のハイウェイバスなど高速バスで運用される。

7月に名古屋駅新幹線口バスターミナルで行われた出発式で、ジェイアール東海フードサービスの吉村伸一社長は「(1日に)30ぴよ(個)売れるかどうかで始まったぴよりん。今回、バスに乗せてもらえることになりました。ぴよりんはおでかけを楽しみにしているので、これから浜松や東京に行けることを喜んでいます」と感慨深げ。交流サイト(SNS)上では「ぴよりんバスに乗れた。かわいい、うれしい」「休憩時間にじっくり撮影したい」と大きな反響も見られた。

今秋には名古屋観光コンベンションビューローから「名古屋観光特使」も委嘱。名古屋に愛着のある著名人が担ってきた大役を人以外ではぴよりんが初めてになうこととなった。ぴよりんを活用したツールを作成し、イベントへの参加、出展に協力してもらうという。

委嘱式に出席した吉村社長は「大役を仰せつかり、ぴよりんも大変喜んでいます。名古屋の観光PRの力になれるように頑張っていきたい」と話した。

そのほか、名古屋の老舗駅弁屋、松浦商店はぴよりんをイメージした「ぴよりん弁当」を10月から、第2弾として12月から「おむすびぴよりん」の販売を開始している。駅弁販売で関係がある東海キヨスクとジェイアール東海パッセンジャーズが10月1日に合併してJR-PLUSが発足したことを記念したもの。

ぴよりん弁当は黄色いオムライスでぴよりんを表現し、おかずの素材には名古屋コーチンを取り入れた。おむすびぴよりんは松浦商店のロングセラー商品「天下とり御飯」のメイン、玉子そぼろ、鶏そぼろをアレンジした。名古屋駅の「グランドキヨスク名古屋」「デリカステーション名古屋コンコース」のみで1日約200食限定で販売され、人気を集めている。

ぴよりんはババロアの中に名古屋コーチンの卵を使ったプリンが入り、衝撃に弱いことを逆手にとり、いかに形を崩さずに持ち帰れるかを試みることが、SNS上で「ぴよりんチャレンジ」と呼ばれて話題になっている。生産増強や話題満載でチャレンジする人はますます増えそうだ。(鮫島敬三)

最終更新日:12/17(日)20:35 産経新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6485284

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