ビスケットやクッキー、チョコレート、せんべいなど数えきれないほどの商品が並ぶなか、江崎グリコの「ポッキー」は定番中の定番として知られるチョコレート菓子だ。三代目J Soul Brothersメンバーの「シェアハピダンス」も話題となった。
今回は江崎グリコ株式会社 ポッキー企画グループの槌田(つちだ)智子氏に、ロングセラーの理由や日頃の商品開発で心がけていることについて話を聞いた。
また、発売以来、時代に合わせて何度もパッケージのリニューアルを変えてきた。槌田氏は「発売当時はパッケージが横長(横向き)のデザインでしたが、1976年のリニューアル時に現在の縦長(縦向き)のデザインに変更しました」と語る。
また、赤箱のパッケージになったのは1998年からで、時代にあった形でポッキーの魅力が伝わるように心がけてきた。さらに時代を反映した形で、食べ方や食シーンを世の中に提案している。
「1970年代はバーのような大人の空間でウイスキーとの相性の良さを提案した『ポッキー・オン・ザ・ロック』、あるいは若い女性を中心に盛り上がった旅行ブームに合わせた『旅にポッキー!』といったライフスタイル提案型の訴求を行い、“ポッキーのある食シーンの醸成”を図ってきました」
1990年代にコンビニが店舗数を伸ばしたときには、夏の「ココナッツポッキー」や冬の「冬のくちどけポッキー」などのシーズナル商品を展開。コンビニの陳列棚の中でポッキーを手に取ってもらえるよう、魅力的な商品づくりを行ってきたという。
「オリジナルのポッキーは1袋に17本、極細のポッキーは25本入っているのですが、これも計算した上でこの数になっている。こうした商品へのこだわりを持ち、時代に求められる商品を世に出すようにしています」
だが一方で、緻密な商品設計をしたにもかかわらず、日の目を見ない商品も過去にはあったという。
「20~30代のビジネスパーソン向けに発売した『ポッキー<デミタス>』は、手の平サイズの小さいパッケージに、濃厚な味わいのチョコを楽しめる商品でした。スマートフォンと同サイズでかさばらないので、持ち運びにも便利。普段の生活に溶け込むような訴求をしたんですが、思うように受け入れられなかった。
日頃のライフスタイルに寄り添った形で世に出したわけですが、あまりヒットしなかった。お客様に喜んでもらえる商品を作りたいとより思うきっかけになりましたね」
最終更新日:2/9(火)8:47 bizSPA!フレッシュ