SBグループ黒字3兆円 前年6倍

ソフトバンクグループ(SBG)が8日発表した2020年4~12月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期の6.4倍の3兆551億円だった。SMBC日興証券によると、4~12月期としては日本企業で過去最大。世界的な株高を受けて保有する海外IT株が値上がりするなどして投資利益が大きく膨らんだ。

 SBGの中核事業は、かつての携帯電話などの通信事業から、デジタル関連を中心とする投資事業に移った。孫正義会長兼社長は8日の記者会見で「人工知能(AI)革命は始まったばかり。着実に『金の卵』を増やしていく」と表明し、今後も有望な企業に投資を続ける考えを明らかにした。業績については「満足するつもりはない。40年近く会社を経営し、この程度であることが恥ずかしい」と述べた。

 2本ある投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の損益は2兆7287億円の黒字(前年同期は7290億円の赤字)だった。投資先では、昨年末に料理配達サービスを手掛ける米新興企業ドアダッシュが上場したほか、米配車大手ウーバーの株価が上昇。多額の評価益を計上した。孫氏は、同ファンドが「収穫期に入り始めた」との見方を示した。

 またSBG本体の投資損益は米携帯電話大手TモバイルUS株の売却益などで8464億円の黒字(同8406億円の黒字)だった。

 20年4~12月期の連結売上高は前年同期比6.1%増の4兆1380億円。携帯子会社ソフトバンクの事業が好調だった。

 SBGは、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的な株安が進んだ20年3月に、総額4.5兆円の資産売却計画を発表。同9月末までに5.6兆円の売却を完了し、傘下の英半導体設計大手アームの売却でも合意している。

 4.5兆円を超えた調達資金の使途は今後決める。経営陣による自社買収(MBO)に使うとの観測は根強いが、孫氏は改めて「ノーコメント」と述べた。

最終更新日:2/8(月)20:11 時事通信

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6384532

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