自動車学校の運営で山口県内最大手の山口そうごう自動車学校(山口市)。同業他社との差別化を図るため、若者をほめて伸ばす指導に特化した「ほめちぎる教習所」の看板を掲げる。卒業生数は8年連続で県内最多を維持している。
全ての指導員が一般社団法人「日本ほめる達人協会」が実施する「ほめ達!」検定2級を持ち、大学生ら若者に笑顔で声をかける。田中秀明社長(43)。は「ほめるとはただおべんちゃらを言うことではなく、独自の切り口で価値を見つけ出すこと」と説明。教習生が前向きに楽しく学び、成長を実感できるようにするのが狙いという。
「ほめちぎる教習」を始めたのは2018年。「役員になり、社内改革がなかなかうまくいかない中、ほめ達に出会って共感したのがきっかけ」と田中社長。当時も卒業生数は県内最多だったが、ほめることの効果を感じて取り入れた。本免試験の合格率は16年の80・7%から22年は93・3%に上昇。卒業生の事故率も下がった。
新事業にも注力する。6月、山口市の山口大吉田キャンパス前に複合施設「そうごう〝HOME〟パーク」を開設し、ドローンの教習所を始めた。自動車学校の指導員が資格を取得して教える。「ほめちぎる」スタイルは同じだ。レンタルバイク事業も展開し、大型二輪車など15台ほどをそろえる。教習所の卒業生にドローン操縦の場所までレンタルバイクを利用してもらうことも想定する。
自動車学校の敷地や建物、送迎バスのさらなる活用も目指す。「地域や教習生、高齢者や企業を結ぶ拠点にし、マッチングやコラボができる場所に」と思い描く。
≪企業概要≫本社は山口市小郡下郷。同市大内千坊にある教習所の敷地面積は約2500平方メートル。1967年創業。パートを含めた従業員は47人。2022年12月期の売上高は約4億円。
最終更新日:11/25(土)14:42 中国新聞デジタル