2021年になってから積雪地域では連日多くの雪が降り積もり、2021年1月中旬には宮城県の東北道で雪によるホワイトアウトが影響で、多重事故が発生したというケースも見られています。
そんな積雪地域での除雪作業はライフラインに直結する重要な仕事です。しかし近年、除雪業者が事業から撤退し、除雪作業の人員不足が問題となっていますが、現状はどうなっているのでしょうか。
積雪地域に欠かせない除雪作業ですが、除雪車には特殊な運転資格が必要となっています。
道路除雪用機械には除雪トラック、ロータリー除雪車、除雪グレーダ、小型除雪車などの種類があり、それぞれの除雪機械に対して、特殊車両の運転資格免許と講習受講義務が課されています。
また、秋田県が提示している除雪機械運転員資格基準には、除雪トラックの場合大型免許が必要で、大型自動車の運転経験が1年、除雪グレーダの場合は大型特殊免許(装輪式)が必要で、建設機械施行技師(3種)または技能講習修了の資格が必要と定めており、大型特殊自動車(装輪式)の運転経験を2年と定めています。
たとえ資格を取得したとしても、実際に除雪作業をおこなうには各地域が定めている車両の運転経験年数が必要です。
では、実際に除雪作業はどのようにしておこなわれているのでしょうか。
通常、除雪作業は交通量が多くなる時間を避けておこなわれます。
道路幅の広い幹線道路では、除雪グレーダや除雪トラックを使って路面の新雪を走行車線から取り除き道路脇に寄せ、道路幅の狭い生活道路では、タイヤショベルが使用されます。
圧雪で凸凹になった路面を平らにする作業も同様に、道路幅に合わせてそれぞれの車両を使って氷盤を削り取ります。
状況によってさまざまな車両を使い分け、高速道路の場合では梯団除雪と呼ばれる複数の車両がそれぞれななめに走行し除雪を行う作業方法がとられています。
また積雪量によっては日中に作業する場合があり、天候によって不規則に除雪がおこなわれます。
NEXCO東日本北海道支社の広報担当者は、毎年の除雪作業について以下のように話します。
「とくに高速道路の除雪作業は、ただ免許を持っていても細かい知識や技術がないと動かすのは難しいです。
弊社の場合は、毎年冬に農家の人に除雪作業をおこなっていただいています。冬は農家もおやすみになるので、空いた時間に稼ぎたいという方が契約して仕事をしてもらっています」
また、北海道在住のある農家の男性は以下のように話します。
「わたしが住んでいる地域では、役場の職員が除雪作業をおこなっています。
その職員は、冬は除雪作業、それ以外の季節は道路整備や施設の運転手などの仕事をおこなっているようです。
農家ではトラクターを持っているところがほとんどで、トラクターに除雪する機械を取り付けることができるため、近辺は各々で除雪作業をおこなっている場合もあります」
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除雪作業は天候の状況によっても作業量が異なります。また、ただ免許を持っていてもある程度訓練を積んでいないと除雪作業の仕事をおこなうことは困難といえます。
積雪地域に住む人々と除雪は切っても切り離せない関係のため、今後も除雪作業ならび対策がスームズにおこなえる工夫が必要といえるでしょう。
最終更新日:2/7(日)19:24 くるまのニュース