任天堂 映画化でゲームと相乗効果

任天堂は8日、人気ゲーム「ゼルダの伝説」を実写映画化すると発表した。今春は、世界的人気キャラクターの「マリオ」を題材にした映画が大ヒットするなど、同社は今、「任天堂IP(知的財産)」の活用を積極的に進めている。IP関連の売上高はまだ小規模だが、キャラクターに親しんでもらうことでファンを着実に増やし、ゲームビジネスとの相乗効果も出始めているという。



「ゼルダの伝説」の映画制作はシリーズの〝生みの親〟である宮本茂代表取締役フェローが「スパイダーマン」などの数多くのヒット映画をプロデュースしたアヴィ・アラッド氏と共同で担当する。宮本氏は同日に開いた経営方針説明会で「世界中にファンがいるので期待を裏切らないものを作るのは大変なハードルだと思うが、そこを覚悟してアラッド氏と10年ぐらい話し合ってきた」と述べた。公開については「十分に準備ができているので、みなさんの期待を裏切らない時期に公開日が発表できるようにしたい」とした。

任天堂は「任天堂IP(知的財産)に触れる人口の拡大」を戦略に掲げており、映像化の第1弾として今年4月、マリオを題材にしたアニメーション映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を公開した。世界各国で大ヒットを記録し、興行収入は13億ドル(約1950億円)を超えている。

映画のヒットは「スーパーマリオ」関連ゲームにも好影響を与えており、4~9月の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」向けの5タイトルの販売数は前年比1・3倍に増加。モバイルアプリのダウンロード数やグッズ販売も増加しているという。

■映画がゲーム事業にも影響

10月に発売されたシリーズ約11年ぶりの完全新作「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」も2週間で世界で430万本を販売し、スーパーマリオ関連タイトルとして過去最高を記録。宮本氏も「(マリオの映画が)日本で夏までロングラン上映となったことで市場の熱を上げられた」と手応えを示している。

任天堂が7日に発表した令和5年9月中間連結決算では、映画の収益を含む「モバイル・IP関連収入等」が前年同期比約2・3倍の550億円となった。売上高全体からするとまだ約7%に過ぎないが、映画などのIPビジネスは中核であるゲームビジネスに好影響を与えており、事業拡大に不可欠な取り組みとして、今後も注力していく方針という。(桑島浩任)

最終更新日:11/8(水)19:16 産経新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6481056

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