米国系の会員制大型量販店「コストコ」を運営する日本法人が東京国税局の税務調査を受け、2022年8月期までの5年間に消費税約14億円の申告漏れを指摘されたことが、関係者への取材でわかった。客に免税販売した商品の一部について、免税要件を満たしていないと指摘されたほか、税額の計算ミスもあったという。過少申告加算税を含めた追徴税額は約15億円とみられる。
調査を受けたのは、千葉県木更津市の「コストコホールセールジャパン」。関係者によると、国内の一部の店舗で、有名メーカーの家電品を大量に免税購入するなどした外国人客がいた。免税の対象は「通常生活の用に供する」物品に限られ、国内での消費や転売は認められていない。来日から6カ月以上経過した外国人も購入できず、店は販売時に客のパスポートを確認することなどが必要とされている。
国税局は、免税販売分の一部がこうした要件を満たしていないと判断し、消費税約3億円の申告漏れを指摘したという。
また、給与のようにそもそも消費税がかからない「不課税取引」と、土地の譲渡や住宅の貸し付けのような「非課税取引」を、税法上区別する必要があるのに一部を混同するミスがあり、申告漏れ額が膨らんだとみられる。消費税に詳しい国税OBの椿隆税理士は「不課税と非課税の違いは消費税法に特有のもので、経験の浅い経理担当者は間違えることが多い」と話す。
同社は取材に「コメントは控えさせていただきます」と回答した。民間調査会社によると、同社の22年8月期の売上高は約5700億円。ホームページによると、コストコの店舗数は国内33店、国外829店。会員数は世界で約1億2千万人という。(花野雄太)
最終更新日:11/7(火)9:01 朝日新聞デジタル