新幹線チケット3億円分不正購入か

JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」を使い、他人名義のクレジットカード情報で新幹線特急券と乗車券を大量に不正入手したとして、大阪府警が窃盗や私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、大阪府内などに住む20~30代の中国籍の男4人と日本人の男(55)によるグループを逮捕、送検していたことが6日、捜査関係者への取材で分かった。



グループは偽サイトに誘導し、個人情報をだまし取るフィッシング詐欺の手口でカード番号や氏名などを取得。カードを偽造していたとみられる。府警は約780人のカード情報が不正利用され、被害総額は3億円超に上るとみて実態解明を進める。

捜査関係者によると、グループは共謀し、今年3~4月の数日間、JR新大阪駅や京都駅の券売機で、不正に得た約300人分のクレジットカード情報を使い、新幹線特急券など1万枚以上を発券した疑いが持たれている。

府警によると、今春ごろ、「不正利用ではないか」とJR西日本から相談があり、捜査を開始。防犯カメラ捜査などからグループを特定した。

中国人4人が実行役となり、不正に入手した新幹線特急券などは日本人の男が、主に大阪市内の金券ショップで換金していた。府警はグループに指示を出していた人物がいるとみて調べている。

■「フィッシング詐欺」深刻化

大阪府警に逮捕された中国人らのグループは、個人情報を不正入手するフィッシング詐欺の手口を悪用していた疑いがある。偽サイトに誘導してクレジットカード情報を盗んだ上で他人名義の偽造カードを作成し、新幹線の駅でチケットの購入を繰り返していたとみられるが、こうした被害は後を絶たない。

フィッシング詐欺の手口は主に、①実在の会社や公的機関をかたり、スマートフォンなどにメールやショートメッセージサービス(SMS)を送り付ける②「不正ログインを検知した」「情報の確認が必要」などといって偽サイトのURLに誘導する③被害者にクレジットカード番号やID情報、パスワード、口座情報などを入力させ、盗み取る―といった方法だ。

世界各地で横行し、日本でも平成16年に被害を初確認。近年はキャッシュレス決済や店舗を持たないインターネット銀行が普及し、さらに被害が拡大している。フィッシング対策協議会(東京)によると、令和4年のフィッシング詐欺の相談件数は約96万8千件で、前年の約1・8倍に。今年は6月の1カ月間だけで14万9千件と、1カ月間の相談件数としては過去最多だった。

警察庁によると、ネット銀行の利用者情報が盗み取られ、不正に送金される被害も年々深刻化。多くはフィッシング詐欺による被害といい、今年の上半期(1~6月)は2322件、被害額は約30億円で、すでに4年の倍になっている。

同協議会の担当者は「SMSやメールなどのリンクは開かないようにし、公式サイトや公式アプリから情報を確認するようにしてほしい」と呼びかけている。

最終更新日:11/6(月)17:48 産経新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6480819

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