在宅勤務ぴったり こたつ人気復活

肌寒い時期に重宝する「こたつ」。古くからある暖房器具だが、近ごろは在宅勤務や1人暮らしに便利な小さめサイズや、いすやソファに座りながら使える脚の長いデザインが人気に。冬の訪れを前に、売り切れ間近のものもあるという。



「11月中旬には完売になる可能性があります」

こたつ人気について、家具大手のニトリ(札幌市)の担当者はこう語る。特に売れているのが「2WAYこたつNVシリーズ」だ。

脚の高さが65センチになり、いすやソファに座ってこたつにあたれる。継ぎ脚を外せば床に寝そべって使える高さ(40センチ)になる。

コロナ禍で在宅勤務が広がった令和2年に発売。4年は売上額が前年比約2倍に伸びた。今年から1人用を想定した小さいサイズ(天板80センチ幅)を本格展開。120センチ幅のものも追加し105センチ幅と合わせ3サイズから選べるように拡充した。

同社広報部の大塚由香里さんは「在宅勤務などの影響で、コンパクトサイズへの要望が増えた」と語る。一方で、高さを40センチにすれば「友人と一緒に床に座り、食卓を囲むこともできる。そんな生活提案が10代や20代といった若い人にも受け入れられているのでは」と示唆した。

■USB付き、仕事に

流通大手のイオン(千葉市)も今秋、家具や生活雑貨などの自社ブランド「ホームコーディ」で、継ぎ脚により高さが42センチと64センチの2通りにできるこたつを販売。昨年はすぐに売り切れたといい、今年は台数を昨年の5倍以上に増やしたという。

在宅勤務でパソコンを広げて使うことなどを想定して、コンセントやUSBポートが付いている。

イオンリテール(同市)のホームコーディ商品部長、小河豊さんは「過去のこたつの購買データを見ると、意外と20代や30代が購入していた。接客する従業員からも『高齢の方だけが使っているものではない』という声があがっている」と語る。

■節約を意識して

「こたつは家族だんらんのためのものだけではなくなってきている」

こう話すのは、家電などの比較サイト「Picky’s(ピッキーズ)」を運営する「rentry(レントリー)」(長野市)のマーケティング事業部、天野将人さんだ。

同社が昨年11月、20~70代の男女220人に冬に買いたい暖房器具をインターネット調査で尋ねたところ、1位は「こたつ」となった。

若い人もこたつに関心を持っているといい、調査の自由回答欄には、「電気やガス、灯油が高額になってしまったので、こたつを購入した」(30代女性)などと、経済的な理由も挙がったという。

天野さんは「新たな仕様の製品が続々と発売され、今後はこれまでこたつを使ってこなかった人にも利用が広がるのでは」と話した。(竹中文)

最終更新日:11/6(月)11:00 産経新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6480707

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