旧住友銀行(現三井住友銀行)の頭取を務めた巽外夫(たつみ・そとお)氏が1月31日午前1時25分、老衰のため死去した。97歳だった。福井県出身。戦後最大級の経済事件とされる「イトマン事件」の処理に尽力した。葬儀は近親者らで執り行った。後日「お別れの会」を開く予定。喪主は長男文夫(ふみお)氏。連絡先は三井住友銀行秘書室。
巽氏は1947年に住銀に入行。融資、審査部門などで早くから頭角を現し、79年に実現したマツダと米自動車大手フォード・モーターとの資本・業務提携を橋渡しした。
87年の頭取就任後、大阪の中堅商社イトマンを舞台にした不正経理事件が発覚。「住銀の天皇」と称され、不良債権化したイトマンへの巨額融資を主導したとされる故磯田一郎会長に退任を迫るなど、住銀再生に道筋を付けた。
最終更新日:2/5(金)19:26 時事通信