マスク生活 化粧品業界を直撃

長引く「新型コロナウイルス」感染拡大で化粧品業界が苦境にあえいでいる。外出自粛、インバウンド需要の消失で化粧品ニーズが変わったためだ。
 (株)コーセー(TSR企業コード:290050723、東証1部)と(株)ノエビアホールディングス(TSR企業コード:662279069、東証1部)が発表した直近の四半期決算では、いずれも前年同期比10%以上の減収だった。外出自粛やテレワークの浸透の余波はアパレル業界だけでなく化粧品業界にも広がっている。

ノエビアHDは1月29日、2021年9月期第1四半期決算を発表した。売上高は138億7200万円(前年同期比10.3%減)、営業利益は30億2500万円(同10.5%減)だった。そのうち、化粧品事業の売上高は109億2900万円(同10.0%減)で、売上高の約8割を占める化粧品分野の落ち込みが響いた。
 (株)ポーラ・オルビスホールディングス(TSR企業コード:296846023、東証1部)は2020年12月期第3四半期の売上高が前年同期比24.0%減、(株)資生堂(TSR企業コード:290076870、東証1部)は同22.8%減だった。化粧品とサプリメントが主力の(株)ファンケル(TSR企業コード:350606404、東証1部)の2021年3月期第3四半期の化粧品事業の売上高は前年同期比17.9%減と、大手は軒並み10-20%前後の減収となっている。
 業界大手の資生堂は、主力の化粧品だけでなく、ヘアサロンの休業などでヘアケア類の需要も落ち込み、2020年12月期は300億円の最終赤字を見込む(2月9日通期決算を発表予定)。大手各社は外国人観光客が多く訪れた百貨店の化粧品コーナーにブランドテナントを出店している。
 インバウンド需要が消失し、来期も業績の落ち込みが避けられない状況だが、しばらく我慢の経営が続きそうだ。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2021年2月5日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

最終更新日:2/4(木)18:55 東京商工リサーチ

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6384184

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