経営迷走したSBI新生銀 上場廃止

SBI新生銀行は28日、東京証券取引所で上場廃止となった。バブル崩壊で前身の日本長期信用銀行(長銀)が破綻後、新生銀行となり、平成16年に新生銀行として再上場したが、経営は迷走し、約20年で再び姿を消すことになった。上場廃止という奇策で、大手銀行で唯一残る公的資金の返済に道筋を付けられるかどうかが課題になる。



27日終値は2766円だった。上場を維持しながら約3500億円の公的資金を返済するには7450円まで高める必要があった。非上場化で株価の制約がなくなり、株主も親会社のSBIホールディングス(HD)と国だけになり、返済の自由度が高まった。ただ、旧村上ファンド系とみられるエスグラントコーポレーションがSBI新生銀株を9・75%保有していることが28日わかり、同社も株主として残る可能性もある。

今後について、東洋大の野崎浩成教授は「公的資金が注入されたあおぞら銀行のように特別配当を支払うことで徐々に返す可能性がある」と指摘する。そのためには着実に利益を上げていく必要がある。SBIHDは「第4のメガバンク構想」を掲げ、SBI新生銀を地方銀行連合の中核に据えている。

SBIHDはさらなる再編を視野に入れている可能性もあり、市場では規模の拡大で、SBI新生銀の収益力を高め、公的資金を返済するとの見方がある。ただ、米利上げなどによる金利上昇で外国債券の運用に苦戦し、業績不振に陥っている地銀も少なくなく、先行きは不透明な状況だ。

長銀は10年に経営破綻して一時国有化された。12年に米投資ファンド傘下となり、新生銀行となったが、経営の悪化が続き、公的資金を返済できていない。SBI新生銀は令和7年6月末までに国と公的資金の返済方法での合意を目指している。(黄金崎元)

最終更新日:9/29(金)1:05 産経新聞

引用:https://news.yahoo.co.jp/pickup/6476810

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