きょうは節分です。大豆やピーナッツをまいて「鬼は外、福は内」と祈る楽しい伝統行事ですが、幼い子どもが誤って豆を飲み込む危険性も指摘されています。子どもの傷害予防に取り組むNPO法人「Safe Kids Japan(セーフキッズジャパン)は、昨年3月に日本ピーナッツ協会に「4歳未満は食べさせないで」と豆の商品の袋に表記をする要望書を提出、早速大手メーカーが表記を改善しました。素早い対応の背景には、幼い命が落とされた事故がありました。(withnews編集部記者・橋本佳奈)
【ピーナッツ協会への要望書の内容】
・「4歳未満の子どもには、豆は食べさせないでください」と大きな文字で記載してください。
・ 合わせて、「子どもが泣き切った後や驚いたときなど大きく息を吸い込んだときに、口内にある豆が気管に入ります。子どもが泣いているときは、豆を食べさせないでください」と小さな文字で記載してください。
山中さんは、要望書のポイントは「食べさせないでください、ときっぱり伝えること」、と話します。
「これまで、豆商品の注意事項には『見守ってください』と書いてありました。しかし、大人が見守っている場合、すぐに救急車を呼ぶことはできても、気管に入ってしまった豆を取り出せる訳ではない。事故ができてしまっては遅いのです。『食べさせないでください』と明確に伝えることが大切だと考えました」。
子どもはなぜ乾燥した豆を誤嚥、場合によっては窒息してしまうのでしょうか。(消費者庁の広報・山中さんへの取材から)
そもそも、食べ物は本来、口からのどを通って食道に入り、胃に送られます。のどの途中まで食べ物と空気の通り道は一緒ですが、そこでうまく分かれるようになっています。しかし、食道に入るはずの食べ物がなんらかの理由で空気の通り道である気管や気管支に入ってしまうことを「誤嚥」と言います。
また、食べ物がのどや気管・気管支に詰まり、空気が肺に届かなくなることを「窒息」と言います。誤嚥により気管や気管支に入った食べ物は、水分を含んで膨潤し、空気の通り道を塞いで窒息に至ることがあります。
子どもは、奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではないため、豆やナッツ類を食べるとのどや気管・気管支に詰まらせて窒息したり、肺炎を起こしたりするリスクがあります。
大人に近い咀嚼そしゃく(食べ物を歯でかみ砕くこと)ができるようになり、飲み込んだり吐き出したりする力が十分に発達するのは3歳頃ですが、その2つを協調させることができるようになるのは6歳頃だといいます。
最終更新日:2/2(火)11:59 withnews