半導体メーカーのローム(京都市右京区)は12日、次世代半導体材料シリコンカーバイド(SiC)製パワー半導体の新工場を宮崎県国富町に開設すると発表した。敷地面積は約40万平方メートルと国内事業所で最大規模となる。電気自動車(EV)や産業機械向けで需要が高まるSiC半導体の生産能力を飛躍的に高める。
石油元売り大手の出光興産が全額出資する太陽光発電システム子会社、ソーラーフロンティア(東京)の工場用地を10月に取得することで基本合意した。現地にはかつてソーラーパネルを製造していた延べ23万平方メートルの大規模工場があり、短期間で半導体工場が整備できると判断した。
電力の損失が低いSiC半導体は、ロームが国内メーカーで先駆けて開発・量産してきた。生産拠点は宮崎県に1カ所、福岡県に2カ所あり、今回の新設で4カ所目となる。用地取得費用を含む投資額は非公表。
ロームは、2028年3月期にSiC半導体事業の売上高を2700億円に引き上げる目標を掲げている。
最終更新日:7/13(木)1:36 京都新聞