令和の今、日本を席巻しているレトロブーム。その波は調理家電や食器など、食卓にも押し寄せています。ねとらぼ編集部は、「昭和レトロ柄」を商品デザインに採用したメーカーに話を聞きました。
「昔家にあったやつ!」「懐かしすぎる」「かわいい」――。6月下旬、調理家電大手・タイガー魔法瓶(以下、タイガー)が販売している炊飯ジャーのデザインが、Twitter上で話題を呼びました。丸々とした形のジャーには赤とオレンジのストライプが描かれ、「炊飯/保温」の2種類しかないボタンも、どことなく昭和な雰囲気を感じさせます。
タイガーは創立100周年を記念し、「レトロ柄復刻シリーズ」と題した調理家電などを6月21日からオンラインショップ限定で販売。炊飯ジャーやホットプレートといったアイテムのほか、昭和の時代にはなかった電気ケトルなど、全8商品がレトロ柄で販売されています。柄はストライプと、1970年代に流行した花柄(ポピー)が用意されました。
シリーズの展開理由について、タイガーの広報担当者は6月30日、ねとらぼ編集部の取材に「当社の歴史を語るうえで避けては通れない、1970年代~80年代にさまざまな商品群に広く展開され人気をいただいた『花柄』と『ストライプ柄』をぜひ復刻したい、という思いで企画をスタートさせました」と説明します。1970年代~80年代は、それまで魔法瓶や保温水筒を中心に販売していたタイガーが、炊飯ジャーや電気ポットなどの家電も手がけるメーカーに転換した節目の時期でした。
今回のシリーズでは、主に最新の機能性を持った製品をレトロ柄にして販売する形が取られました。一方で、炊飯器だけは「最新式の炊飯器(液晶があるタイプ)だとこのレトロ柄がマッチしなかった」ことから、レトロな見た目に合わせた、保温と炊飯のみのシンプルな機能を採用したといいます。
シリーズは4月に予約が始まると、2カ月で合計約3000件を受注。6月にTwitterで炊飯ジャーのデザインが話題になった際には、公式ページへのアクセスが通常の5倍以上に伸びるなど、大きな反響があったとしました。担当者は「今後もご購入いただいた方の感想を見て、興味を持っていただける方が増えれば」と伝えました。
最終更新日:7/4(火)11:26 ねとらぼ