石油元売り大手コスモエネルギーホールディングス(HD)の株主総会が22日、東京都内で開かれ、旧村上ファンド系投資会社「シティインデックスイレブンス」などの株の大量買い付けに対抗する買収防衛策について賛成多数で可決した。大株主であるシティ側を排除する異例の手法で採決した。
防衛策は、一般株主に新株予約権を無償で割り当て、シティ側の持ち株比率を相対的に引き下げるもの。シティ側が大規模な買い付けをしないと誓約した場合などは発動しない。採決にあたり、コスモHDはシティ側の議決権を排除した。
これは、利害関係のある大株主以外の株主の意向を問う「マジョリティー・オブ・マイノリティー(MoM)」と呼ばれる手法で、新聞輪転機メーカーの東京機械製作所が2021年10月、買収防衛策導入時に実施したのに次いで2例目とみられる。
株主総会でコスモHDの山田茂社長は「シティなどによる株の買い増しは企業価値や株主の共同利益を著しく損ねる」と話し、買収防衛策に理解を求めた。
ただ、「株主平等の原則に反する」との指摘もあり、東京機械のケースでは最高裁まで争った結果、認められた。株主総会終了後、コスモHDは「全てのステークホルダーの共同利益の向上に向けて対応していきたい」とのコメントを出した。【袴田貴行】
最終更新日:6/22(木)20:50 毎日新聞