交通系ICカードの普及で一部の鉄道会社の回数券が廃止になった問題で、全国の通信制高校でつくる全国高校通信制教育研究会(全通研)が、通学費の負担軽減につながる通学用割引普通回数券の再開などに向けて取り組むよう求める要望書を永岡桂子・文部科学相あてに送った。15日付。
通信制の学校は自習やリポート提出が基本で、登校頻度は多くない。要望書では、登校を伴う面接指導日の交通手段として多くの生徒が通学回数券を使っていると指摘。「交通手段の経費増が足かせになり、学校から遠のくようになることは決してあってはなりません」とし、通学定期券の要件緩和や通学用割引普通回数券の再開に向けて取り組むよう求めている。
通学用割引普通回数券は、通信制高校へ通う生徒らのために鉄道各社が販売しているが、回数券の利用者が減ったことを理由に、昨年から今年にかけて廃止する会社が相次いでいる。南海や阪急、西武は販売を取りやめている。
全通研は全国の公立・私立約120校が加盟する組織。大阪府のある通信制高校の教諭は「今後の不安を口にする生徒もいる。この動きを今とめないとどんどん広がっていくことを危惧します」と話している。(松永和彦)
最終更新日:6/22(木)10:28 朝日新聞デジタル